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尖閣諸島は誰のもの? - 国立国会図書館

私「それでは、今日は尖閣諸島をやるよ。講義の前にまず宿題をだす!」


一同「えー、まず宿題!?」

私「(わはは、どうだ!)時事の問題は、しょっちゅう目先が変わるから、基本
を押さえないとダメだ」


  キッズ緊急平和部隊への初宿題:「尖閣諸島の領有をめぐる論点-日中両国の見
解を中心に-、国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 565(2007.2.28)http://
www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0565.pdf






私「それでは、まず地理だ」






 尖閣諸島:
尖閣列島ともいう。
九州南方から台湾東方に連なる南西諸島の一部。
魚釣島、大正島、久場島、北小島、南小島、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬の5島3岩礁の総称。(満潮時に水没しないのが島、するのが岩礁)。

総面積は5.56㎢で、神奈川県箱根町の芦ノ湖(7.1㎢)より少し小さい。
一番大きな魚釣島を起点とすると、沖縄本島まで約410km、台湾まで約170km、中国大陸まで約330kmの距離に位置する。参照1









ハナ「台湾まで170km、中国まで330kmしかないのね」

イチロー「自転車で行ける距離だ」

ケンジ「それはアイアンマン・レースだろ!」




ハナ「近い方に権利がある?」

私「いや、距離は関係ない」

ハナ「じゃあ、どう決めるの?」




私「発見、そして主権行使、ということになっている」




ハナ「発見って、誰の物でもない土地を見つけることね」

私「そう、無主の地ともいう。発見に関しては外務省ではこう説明している」




 
  尖閣諸島は、1885年政府が沖縄県当局を通ずる等の方法により再三にわたり現地調査を行ない、単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上、1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行って正式に日本の領土に編入することとしたものです。

  同諸島は爾来歴史的に一貫してわが国の領土たる南西諸島の一部を構成しており、1895年発効の下関条約第2条に基づきわが国が清国より割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれていません。

従って、サン・フランシスコ平和条約においても、尖閣諸島は、同条約第2条に基づきわが国が放棄した領土のうちには含まれず、第3条に基づき南西諸島の一部としてアメリカ合衆国の施政下に置かれ、1971年6月17日署名の琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(沖縄返還協定)によりわが国に施政権が返還された地域の中に含まれています。

以上の事実は、わが国の領土としての尖閣諸島の地位を何よりも明瞭に示すものです。参照2






ケンジ「要するに、先に見つけて杭をたてれば自分の物ってこと?」

私「杭だけじゃダメだ」

ハナ「その時、誰かが住んでいたらどうするの?」

私「尖閣諸島に先住民はいなかった。でもその点は大切だから日を改めてやるよ」




ケンジ「杭をたてた後、何をすれば良いの?」

私「主権行使だ」

ケンジ「主権行使?」




イチロー「これは俺の物だといって唾をつける」

ケンジ「コロッケじゃないんだ。芦ノ湖サイズに唾はつけられないだろ!」

ハナ「無主のコロッケもないわよ!」




私「要は日本の国の一部として継続的、平和的に占有していたかどうかだ。尖閣

諸島に対する主権行使については、これが日本外務省の主張だ」



(1) 警備・取締りの実施(例:領海内で違法操業を行う外国漁船の取締り)。

(2) 土地所有者による固定資産税の納付(民有地である魚釣島,久場島等)。

(3) 国有地としての管理(国有地である大正島等)。

(4) 政府及び沖縄県による調査等(例:沖縄開発庁による利用開発調(仮設へリポートの設置等)(1979年),環境庁によるアホウドリ調査の委託(1994年),沖縄県による漁場調査(1981年)




私「要は、杭を立てた後、何をしていたかの説明だ。他国の異議申し立てもなく、平和裏に日本が実効支配していたという主張だな」




ハナ「発見して、実効支配していた、ということは尖閣諸島は日本のものね」




私「一応ね」




ハナ「えー、どうして一応なんですか?」




私「国際法だけで国境が決まる訳じゃない。力関係で決まる。力といってもいきなり武力紛争になるわけじゃない。漁船や漁業監視艇をつかったり、活動家を上陸させたり、レアメタルの輸出停止をしたり、いろいろだ」




ハナ「どうして、そこまでしていくつかの島が欲しいんだろう」




私「資源だろう。東アジアの大陸棚に豊富な石油資源がある可能性が1968年に指摘された後、中国が領有権を主張し始めた。排他的経済水域も広がるし、軍事的にも意味は大きい」




ハナ「いきなり中国軍が尖閣諸島を占領したらどうなるの?」




私「中国に対して脅威を感じている国々と協力して事に当たるしかないだろう。仮に日本が国連の場で解決しようとしても、拒否権をもつ中国に不利な安保理決議は絶対に採択されない」




アンポリ「ミャー」




私「最終的には軍事力が国境を決めるのが人類の歴史だ」




イチロー「先生のおっさんよ」




ケンジ「でると思った」




イチロー「今日のところは軍事力が国境を決めることにしておくぜ。だが、必ず俺たちが国境紛争のない世界をつくってみせる」




ハナ「その通りよ!イチロー偉いわ」




私「うん、キッズ緊急平和部隊には期待してる。今日はこれでおしまいだ。明日は戦争の違法化だ」




参照1

海上保安レポート2005年版、2012年8月21日アクセスhttp://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2005/
tokushu/p018.html


http://www.mofa.go.jp/mofaj/
area/senkaku/



参照2

尖閣諸島に関するQ&A、2012年8月12日アクセス、http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/qa_1010.html



  明治17年(1884年)頃から尖閣諸島で漁業等に従事していた沖縄県在住の民間人から国有地借用願が出され,明治29年(1896年)に明治政府はこれを許可しました。この民間人は,この政府の許可に基づいて尖閣諸島に移民を送り,鳥毛の採集,鰹節の製造,珊瑚の採集,牧畜,缶詰製造,燐鉱鳥糞の採掘等の事業を経営しました。さらに,尖閣諸島を含む沖縄の施政権が日本に返還された後について,幾つかの例を挙げれば以下のとおりです。

尖閣諸島の領有権についての基本見解、外務省HP、2012年8月21日アクセス