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WFM国際理事会参加報告①

世界連邦運動、地球規模問題に対応する政策研究所日本の代表として参加ワシントンはアメリカ議会と省庁、シンクタンク、各国大使館、大学など、知の集積地であり、ロビー活動の本拠地。
WFMとCGSは同じ世界連邦運動のルーツをもち、政策課題もほぼ同じ。 WFM&IGPは国連本部のあるNYに事務所があるが、CGSはワシントンDCに事務所を置き、国連改革のロビー活動を行っている。今回はこの2つの団体の共催といって良い。




各国代表、事務局を合わせて約30名、米国中心にイギリス、フランス、カナダ、南米諸国、アフリカ諸国、アジアからは日本から2名が参加。パブリックイベントを含めて丸3カ間の会議だったが、疲れをしらない。
国連改革、国際法を発展させる事によって、地球規模問題に対応するというWFMの主要課題。



全て大切だが、資金的な裏付けがなければ活動できない。現在のところ資金的裏付けはどこからきているかというと


WFM世界連邦運動は丸抱えのスポンサーがいるわけではなく、個々のプロジェクトに寄付が集まる形。
資金的な裏付けがなければ活動できない。


おおざっぱに1ドル100円と考えると、来年度の予算は4億から7億円の間を想定している。
2012年度収入見込みの74%がCICC−国際刑事裁判所のためのNGO連合。21%が保護する責任のためのNGO連合。世界連邦本体に対する寄付は4%にしか過ぎない。


内訳としては、財団法人等の寄付団体、日本で言えば日本財団。政府系機関、JICAのようなところ。そしてEU。


政府系機関から45%、財団から28%、EUから23%などとなっており、税制控除があるといっても個人寄付は2%にしか過ぎない。


国別に見ると、アメリカとEUがそれぞれ28%、スエーデン、オーストラリアがそれぞれ10%、オランダ、ノルウエー、フィンランドがそれぞれ5%となっている。
つまりEUやアメリカが年間2億円程度、スエーデン等が年間6000万円、オランダ等が3000万円程度という計算になる。


こうした資金調達が事務局の最大の仕事のひとつ。ビルベイスの手腕が大きく認められたのはCICCキャンペーン。1995年にたった17のNGOグループから始まったCICCが、1998年の国際刑事裁判所のためのローマ規定採択時には2500団体に大きく育った。


そうした市民社会の強力な後押しがあって2003年にICCがハーグに設置された。あと50年かかるといわれていたICCがこれだけ短時間で現実のものとなったのは世界連邦が事務局を務めた事が大きく貢献したが、CICCは知っているがWFMが事務局だとは知らない人が多い。
それでいいのだ、とビルペイスは言うが、その通りであると思う。 そして、ICCに続く大きな波が保護する責任である。


保護する責任とは、ある主権国家の国民が、ジェノサイド、民族浄化、戦争犯罪、人道に対する罪、によって危険にさらされている時、当該国家がこれを保護する能力も、その意思も持たない時、国際社会が保護する責任を負い、内政不干渉の原則は阻却される。つまり主権国家の中であっても「人類の良心に衝撃を与えるような犯罪」が行われるときは、放置されることはない。
写真は2005年の国連総会で「保護する責任」全会一致で採択された。


本年採択された安保理決議1970、リビアに対する「保護する責任」決議。カダフィーが自国民をゴキブリ呼び、一戸一戸の家宅捜索を命じ、市民のデモ隊を射殺し、リビアの国連代表部がこれを「ジェノサイド」と呼んだ。
こうした事態にたいして「保護する責任」原則を明示し、憲章七章下の「必要なあらゆる措置」を授権した初めての決議。


2009年以来、この保護する責任のためのNGO連合の事務局に世界連邦のビルペイスが座っている。今後、世界の警察機能を果たす上で、あるいは国連PKOの発展を図る上で極めて重要な役割。


これは保護する責任のHPの一部だが、世界の動きが一覧できるようになっている。


先月の活動。月に10回、いろいろな場所でR2P関係のセミナー、討論会などが行われている。残念ながら日本ではまだまだ新しい理念なので、まずはこのサイトの日本語版を立ち上げるべきだろう。いずれにしても、主権国家絶対だった国際社会に大変大きな地殻変動が起きている。