私「今日のゲストはオーストラリア元外相のギャレス・エバンスだ。保護する責任理念を世に出した人だよ」
イチロー「やったー!つくった本人だね!」
ケンジ「元外務大臣にそんなことできるんだ!日本ではあり得ない」
ハナ「保護する責任って、現在進行形の話なのね!」
エバンス「キッズ地球防衛隊の皆さんおはよう!」
一同「おはようございます!」
エバンス「さっそくだが、どうして保護する責任(Responsibility To Protect,R2P)理念がこの時期に出てきたと思う?」
イチロー「超国家組織をつくるため!」
ハナ「地球を救うため!」
ケンジ「年金で暮らせない人が増えてきた!」
エバンス「全部はずれだ」
一同「えっ」
エバンス「悪いが君たちにはがっかりした」
一同「えーっ」
エバンス「しかも見込みがない。私は飛行機を一便早めて移動する」
一同「えーーーっ」
私「ギャレスががっかりするのは当たり前だ。R2P理念を育てようとして世界中を飛び回っている現役だ。無駄にする時間なんかない。君たちはなぜもっと準備しない?」
イチロー「楽しみにしてたのに」
私「私の講義は短い時間しかやってない」
イチロー「はい」
私「他の時間は何をしてる?自分で勉強しないのか?」
イチロー「…」
ケンジ「何だか予備校みたいになってきたなあ」
エバンス「ケンジ君は、日本の外務大臣を馬鹿にしている」
ケンジ「えーっ、聞いてたんだ!」
エバンス「君たちは日本語をしゃべるんだろ?」
ケンジ「はい」
エバンス「日本に立脚しないで仕事ができるのか?」
ケンジ「え…」
エバンス「日本の政治もオーストラリアと同じで欠点だらけだろうが、政治の可能性は大きい。自虐的になる大人もいるが、君はまねしなくていい」
ハナ「英語を勉強すればいいのよ」
エバンス「ハナちゃん、君は日本人だ」
ハナ「はい」
エバンス「英語を覚えて、海外で活躍してもそれは変わらないだろ」
ハナ「国際結婚したら?」
エバンス「国籍を変えても、パスポートが変わるだけだ。君がどこに行っても、何の分野で活躍しても、それと同時に君は日本エキスパートだということを覚えておくが良い。どんな有名シンク・タンクにも外国人の日本エキスパートがいるが、レベルが違う。ただし、君がしっかり勉強した時の話だ」
ハナ「…」
エバンス「中身のない英語なんてオウムと同じってことだ」
ハナ「…」
イチロー「エバンスのおっさんよ」
ケンジ「出ると思った」
イチロー「ここはあんたに負けとくぜ。だがね、地球防衛隊は必ず俺たちが作ってみせる!」
ハナ「複数形が自然になってきたわ」
エバンス「そうか。OK。それじゃあ講義を続けよう」
一同「えっ、一便早くするんじゃなかったの?」
エバンス「人生意気に感ず、ってことだ」
ケンジ「えらい日本語を知ってるな」
エバンス「良いコンセプトは世界中に同じ格言がある」
ハナ「やっぱり愛が世界を救うのよ!」
ケンジ「そういう問題じゃないだろ!」
私「よーし、ここでいったん休憩する。15分後にあつまってくれ」
つづく
犬塚直史(いぬづかただし)