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he`enaluの意味

我々がサーフィンと呼ぶこのスポーツは、その昔ハワイではへエ・ナルと呼ばれた。海洋と詩的なニュアンスを感じる豊かな言葉だ。前半の’ヘエ’は、固形物から流体物へ、流体物として動く、血液か水のように流れる、滑って行く、溶ける、恐怖から逃れる、といった意味にとれる。

後半のナルは、咆哮する、海岸に向かう潮、波の巻き込む動き、波の形成、ネバネバした液体、あるいは新生児の顔といった意味がある。

この二つの言葉がヘエ・ナルという一つの単語になるとその意味は簡潔になる。すなわち波滑りだ。しかし多少詩的な解釈をすればこんな意味にもとれるだろう。すなわち、その昔から波乗りをしていたサーファー達は、咆哮する巨大な恐ろしい潮の子宮から自由に滑り出てきた新生児だといった具合だ。

いずれにしても、この繊細で壮大な海のスポーツをポリネシアの人々がいつから始めたのかはだれも知らない。しかし確かなことは15世紀から伝わるハワイの詠唱ではすでに洗練された形のサーフィンを伺い知る事ができる。有名なサーファー達が特別な競技会で競っている様子が詠われているのだ。

-「hawaii」、insight guides、395ページより  和訳:犬塚直史-